楽天(4755)の株は買いか?

楽天(4755)の株主優待が変更されましたね。

楽天カードや楽天payについて、データセンターが原因により、月末に障害が発生するなどの問題があった楽天(4755)ですが、携帯事業の参入などで成長性を感じる一方、同時に多額の設備投資やその進捗自体について不透明さも感じる銘柄です。

日本のIT企業としては、ヤフー(4689)やLINE(3938)などと肩を並べ存在感がありますが、その株式は買いでしょうか?

まず、売上高は比較的堅調に推移しています。

バフェットコードから引用

一方、営業利益(率)は年ごとにまちまちで、ビジネスの安定感を感じられません。

バフェットコードから引用

こうした状況を受けて、株価自体&株価の割安(割高)感を表すPBRは、ダウントレンドです。

株価5年分 yahooファイナンスから引用
PBR3年分 バフェットコードから引用

株価が下がっているのは、先に述べた営業利益&下記のキャッシュフローが安定しない点が理由であると考えられます。

キャッシュフローとは、掛取引や買収した子会社の評価益などを含めず、実際に出入りした現金を表しますので、ここが正常に推移していない現状は、事業の継続性を適切に評価することが難しいと言わざるを得ません。

特に本業の営業キャッシュフローが年によってまちまちです。これは、株主としては、将来の予測が付きづらく、株式の購入を控えさせてしまいます。

さて、その営業利益の部分について、もう少し詳しく見てみます。
楽天(4755)は、何で稼いでいる会社でしょうか?

楽天(4755)決算資料より引用

実は、国内のEC事業と同じ程度、Fintechセグメント=金融事業の売上があることがわかります。
さらに、まだまだ投資が膨らんでいるEC事業に比べ、金融事業の利益が大きいことがわかります。

その中でも特に稼ぎ頭となっているのが、楽天カード事業です。
とくに、楽天カード利用者のリボ残高は増え続けています。

楽天(4755)決算資料より引用

ショッピングとキャッシングのリボ残高を足すと、634億円の残高があり、仮に貸し倒れなしで年利15%として収益をあげているとすると、年間95億円がリボによって入ってくる計算となります。
これは、おそらく楽天全体の年間の一般管理費・販促費に近い金額と思われるため、年間のマーケティング費用を楽天カード事業でまかなっているといっていいでしょう。

さて、今回、障害発生などで問題となったのは、この楽天カード事業です。
ここでモブワン的には、楽天カードの障害が起こった際の楽天(4755)のプレスリリースの書き方が気になりました。(下記は楽天カードサイトの表示)

原因が取引先である九州電力系データ会社の問題である、ということを示したかったのでしょうが、それを利用者に対して全面に示す書き方がモブワン的には非常に気になります。
利用者にとって、障害の責任は一義的には楽天自身にあり、その対応に取引先名を大きく掲載することには事業に対する責任体制について違和感があるからです。

投資家は、種々ある情報のうち、特にガバナンス情報についてセンシティブになります。
楽天の生命線であるカード事業において、こうした記載をすることを許したガバナンスについて株主・投資家はネガティブな反応を示しかねません。

一方で、明るい材料として、楽天(4755)のMNO事業が非常に低価格で魅力あるプランである可能性があることがあります。

モブワンの直感ではありますが、まだまだ経営体力がある楽天(4755)はおそらくMNO事業もいずれ軌道に乗るとは思っています。しかしながら、それはしばらく先のことであり、不確実性も大きいでしょう。

以上から、短期的には、事業の成長持続性やガバナンスについて疑義があり、楽天(4755)の株式は売りであると判断します。

一方で、現在の株価は上記のネガティブな状況を含んで、(最安値ではなさそうですが)底に近いとも考えられます。

投資資金に余裕がある方については、MNO事業が軌道に乗るまでを見越して5年程度の長期保有ができるのであれば、仕込みの時期であり、購入・放置することも投資戦略としてはありうるかもしれません。